彼女とのなれそめ③

 さて、長々と書いてきた彼女とのなれそめ編も本日で終了でございます。

 

 あともう少しだけお付き合いください。

 

本日は福岡二日目です。

 


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(話には特に関係のない博多とんこつラーメン。ローカルチェーン店っぽかったが、本場の博多とんこつだけあってめちゃくちゃ臭くて美味しかった。)

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 私とYさんは一日目の夜に色々とあったあと、遊びに出かけるために準備をしていた。

 

 しかし、結局、付き合うか付き合わないかについては明確な答えが出せないままでいた。

 

 私もYさんもお互いに対して好意は抱いているのだが、やはり遠距離恋愛となると普通のカップルより過酷な付き合いになるのは間違いない。

 

 これは後に知ったことなのだが、遠距離カップルが一年以内に破局する確率は約80%らしい。つまり、遠距離カップルが10組成立したら8組は一年以内の間に破局してしまうのである。

 


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(ググったら出てきた。)

 

 というわけで、私もYさんも「結局どうする?付き合う?付き合わない?」という感じで、煮え切らないでいた。

 

 だが、私としてはやはり白黒つけたまま福岡を後にしたかった。

 

 朝の支度をしているYさんをチラリと見る。すっぴんの横顔も驚くほどにかわいらしい。

 

 もしかしたら私の心は一日目の夜からすっかり決まっていたのかもしれない。

 

 (よし。福岡空港でお見送りしてもらうときに告白して、気持ちよくバイバイをしよう。)

 

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 朝の身支度を済ませた私とYさんは、今度はボウリングをするために昨日のROUND1へと再び向かった。

 

 といっても二人とも起きるのが遅い&ダラダラと身支度をしていたため、泊まっていたホテルを後にしたのはだいたい11時くらいである。朝の身支度とは……。

 

 私は予定では15時に福岡空港で大学のオタクたちと集合し、16時発の飛行機で愛知県へと帰ることになっていた。

 

 Yさんと一緒にいられる時間ももう残り少ない。精一杯思い出を作ろうと決心し、ボウリング場へ足を踏み入れた。

 

 

 

 

……いや二人ともめちゃくちゃボウリング下手じゃねぇか!

 

 

 私が最後にボウリングをしたのは高2だったので、自分が下手くそなのはわかっていたのだが、ぶっちゃけYさんもYさんで下手である。二人してガーターを連発し、隣の陽キャ大学生集団とは比べ物にならないくらい低レベルな争いを繰り広げた。

 

 (だけど、女性に対して格好つけずにこうやって等身大の自分でいられることってやっぱり幸せだな。)

 

 そんなことを思いながらROUND1をあとにした。

 

 

 

 

 昼食は福岡空港で食べることにして、私たちは電車で空港へと向かうため、再び駅に来ていた。

 

 ガタンゴトン。ガタンゴトン。

 

 普段は気にも留めない無機質な電車の音と人々の喧騒が、なぜだかとてもやかましく感じた。二人の間に挟まるものが、この瞬間だけは消え去ってほしいと願った。

 

 「ねぇ。結局どうするの?私たち?」

 

 Yさんが口を開いた。私は空港で告白しようと決めていたが、Yさんはそんなこと知るよしもないので、この煮え切らない関係のまま私と別れたくなかったのだろう。

 

 ここまで言われてしまっては流石に先延ばしにすることもできない。

 

 「空港で全部、言うよ。」

 

 そう一言Yさんに話すと、事情を察して照れてしまったのか、Yさんは小さな声で「うん……。」と返すとうつむいてしまった。

 

 ガタンゴトン。ガタンゴトン。

 

 私たちの乗る電車がホームへと到着した。二人で乗り込み、席に座る。

 

 ガタンゴトン。ガタンゴトン。

 

 「ねぇ。」

 

  「なに?」

 

 「最初から空港でって、決めてたの?」

 

 「まぁね。」

 

 「そうなんだ……。」

 

 再び、無言。しかしなぜだか、この無言はとても居心地のいいものに感じた。

 

 

 

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 福岡空港に到着した私たちは、まずは腹ごしらえということで、空港の二階にあるイタリアンのお店で昼食のピッツァを食べていた。

 

 Yさんは結構裕福な家庭の出身ということもあってか、ナイフとフォークの使い方がとても様になっており、こなれている。話を聞くと、年に数度、家族でそういうちゃんとしたマナーで食事するお店に行くのだとか。

 

 22歳でナイフとフォークの左右すらあやふやな私とは大違いである。普段しゃべってるとあんまり気にならないけど、やっぱお嬢様なんだなぁこの子。

 

 

 

 余談だがこのとき、私たちと同様に早めに空港に到着していた大学のオタク2名に見つかったが、空気を読んで私たちのことは放っておいてくれた。なぜその気遣いを普段からできないのか、オタクよ。

 

 

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 腹ごしらえを済ませた私たちは、福岡空港の外へ出ていた。告白をするなら、やはり少しでも人気のないところがいいと思ったからである。なんか公開プロポーズみたいで照れ臭いし。あと大学のオタクとまた鉢合わせするかもしれないし。

 

 Yさんの手をつかんで、人が少ない隅の方へと寄せる。

 

 Yさんも少しうつむきながらついてくる。

 

 

 

 

なんかドキドキしてきたな。(サンドウィッチマン伊達)

 

 

 思い返せば、22年間生きてきて、面と向かって女の子に告白するのはこれがはじめてである。それを意識すると、これまでは何とも思っていなかったことが、急にとても恥ずかしく思えてきた。

 

 
 でも、告白するんだから、照れながら言うのはやっぱり男として違う気がした。

 

 自分の人生にとっても、この子の人生にとっても二度と訪れることはない大事な瞬間なのだから、自分だけでも真っ直ぐ相手を見つめて、はっきりとした言葉で言おうと思っていた。

 

 

 

 

「あのさ。」

 

「うん。」

 

 Yさんがうつむきながら答える。

 

 あんまり嬉しそうじゃないなと思ったのだが、後日、本人に聞いてみると、照れすぎて何も言えなかったらしい。かわいいね。

 

 「この二日間すごく楽しかった。」

 

 

 

 「僕と付き合ってください。絶対幸せにするから。」

 

 

 

 「じ、じゃあ……よろしくお願いします……。」

 

 Yさんがやはりうつむきながら小声で返事をする。

 

 思わずその場でYさんを力強く抱き締める。

 

 改めて文字にして書き起こすと完全にバカップルだなこりゃ。俺が周囲の人だったら「リア充爆発しろ!(死語)」とでも念じているところである。

 

 

 

 

 まぁこうして、めでたく彼女とお付き合いすることになったのである。

 

 遠距離はやはりつらいことも多いが、その分、久しぶりに会えたとき、一緒にいられる時間の喜びは何事にも変えがたいものがある。

 

 現在付き合って約5ヶ月だが、これからもこの子と一緒に人生を歩んでいけたら、間違いなく幸せに死ねるだろうなという確信がある。

 

 とまぁ、これが彼女とのなれそめである。

 

 ここまでだらだらと駄文をしたためてきたが、わざわざ読んでくれたフォロワーには感謝の気持ちでいっぱいだ。ありがとうございました。

 

 

 

 

 最後に一言いいですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 インターネットって最高──!!

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